債務償還年数は重要

債務償還年数は重要

「古内さん、金融機関が見る指標は他にもあるのですか。」

「N社長、これまで格付け・債務者区分・手元流動性など
見てきましたが、債務償還年数も重要です。」

「債務償還年数とは何ですか。」

「N社長、債務償還年数とは、借入金を利益等で返済するのに
何年かかるのかを見る指標です。」
「計算式で表すと、借入金-(売掛金+受取手形+商品-買掛金
-支払手形)/営業利益(経常利益)+減価償却費となります。」

「そうなんですね。金融機関は債務償還年数をどのように
見ているのですか。」

「N社長、金融機関は債務償還年数が10年以内かどうかを
見ています。10年以内であれば正常先となります。」

「そういう見方をしているのですね。」

「N社長、当事務所では債務償還年数ではなく、実質債務償還
年数で見ています。実質債務償還年数は、先ほどの計算式の
分子から現預金を差し引きます。現預金は借入の返済に当て
られると考えます。これにより、借入金の実態に近づけるこ
とができます。」

「実質債務償還年数を短くした方がいいのはわかりましたが、
どうしたら短くできるのですか。」

「N社長、基本的には利益を上げていくしかありません。
借入金の返済原資はキャッシュであり、キャッシュの原資
は利益なので、利益を上げていくことが重要です。」

「実質債務償還年数は10年以内でないとどうなりますか。」

「N社長、実質債務償還年数が10年を超えてくると要注意先
として区分され、融資を受けるのが大変になってきます。」

「融資との兼ね合いもあるのですね。」

「N社長、金融機関は色々な角度から会社を見ています。
実質債務償還年数もそのうちの1つです。利益を出すこと
によって、実質債務償還年数は短くなりますので、10年に
こだわらずまずは利益を出していくことに集中しましょう。」

「古内さん、よくわかりました。」

今回もお読みいただきありがとうございます。

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